Tongali × 坂清子 様
Tongali x Kiyoko BAN

世のニーズを拾い上げ「何のため」を自分に問い続けてほしい

坂 清子
 Kiyoko Ban

東海歯科医療専門学校の本科、専攻科を卒業後、歯科用陶材の開発をスタート。1986年に研究開発会社カスプデンタルサプライを創立、同年、ノリタケカンパニーリミテドの技術顧問に就任。ニューヨークとボストンにカスプデンタルリサーチを設立したのち、名古屋にカナレテクニカルセンターを設立。1998年にはノリタケカンパニーリミテドとの共同出資で設立されたノリタケデンタルサプライ(現 クラレノリタケデンタル)代表取締役社長に就任。現在はクラレノリタケデンタル(株)の顧問として若手の育成に力を注いでいる。

― Tongaliプロジェクトにご支援いただいたきっかけは?

坂:もうずいぶん昔の話になりますが、専門学校の専攻科の学生時代に、新たな知見を得たいと名古屋大学の聴講生になりました。参加した講義は難易度が高すぎて早々に脱落したものの(笑)、名古屋大学の教授に色々な分野の先生を紹介していただいたことが、のちの歯科用陶材の開発につながっていったのです。私の人生が大きく変わるきっかけを作ってくれた名古屋大学にいつか恩返しができればと考えていたところへ、名古屋大学が主幹となっているTongaliの存在を知り、サポーターになりたいと手を挙げました。

―Tongaliに期待されていることは何でしょうか。

坂:アメリカを訪れた際に現地の学生と話す機会があるのですが、彼らが思い描くキャリアには「起業」という選択肢が自然に存在していると感じます。日本にもそうした文化が根付いたらいいなと思っていますし、そのためには、やる気のある若い人を応援する土壌が必要です。Tongaliを通じて、そうした考えがもっと広まることを期待しています。
今年は、コロナの影響でイベントや打ち合わせはほぼオンラインでの開催でした。来年度以降は、Tongaliに関わるさまざまな方と実際にお会いできればうれしいです。

―坂さんご自身も起業家ですが、成功に必要な資質は何だと思われますか

坂:周囲の起業家の共通点を考えてみると、誰よりも強い「熱意と根性」を持っているのだと感じます。それに、成功している人ってたぶん諦めが悪いのですよね(笑)。だから、失敗を重ねることも重要です。たくさんの失敗の中から、ある日ふと関連性が見えてくることは少なくありません。無駄だと思ったことがのちに大きな意味を持っていたのだと気づいたことは、私自身もこれまでに数え切れないほどありました。
そして、ビジネスとして考えたときには「売れるか」という視点を忘れてはいけないと思います。結局のところ、世の中に広く普及する商品やサービスは、それだけ求めていた人が多かったということ。開発者・研究者には、まだ可視化されていない世の中のニーズを拾い上げられるようなビジネスセンスも必要ではないでしょうか。

―これから起業を目指す人たちへ一言お願いします。

坂:常に「何のために」を自分に問い続けてほしいと思います。大学や会社などの組織に所属していると、関係者に評価されることが目的になってしまうことは珍しくありません。でもそれって本当に意味がないことだと、私は思います。最終的に、研究開発の成果を届けるべきは「世の中」です。その視点を忘れず、日々励んでください。

インタビュアー: 石原由加里 https://sunari.jp/